起業家必見!創業支援に積極的な自治体とレンタルオフィス活用完全ガイド

創業支援に積極的な自治体とレンタルオフィス活用ガイド

起業を成功させるには、資金調達と事業拠点の確保が重要です。実は、所在地をどこに設定するかで、受けられる創業支援の内容が大きく変わることをご存知でしょうか?

この記事では、東京都内で創業支援に特に力を入れている新宿区・町田市・渋谷区の支援制度と、これらの自治体でレンタルオフィスを活用するメリットをご紹介します。

目次

  1. なぜ自治体選びが重要なのか
  2. 新宿区の創業支援制度
  3. 町田市の創業支援制度
  4. 渋谷区の創業支援制度
  5. レンタルオフィス活用のメリット
  6. まとめ

1. なぜ自治体選びが重要なのか

創業時に受けられる支援は、自治体によって大きく異なります。主な違いは以下の通りです:

  • 融資制度の利率や限度額
  • 登録免許税の軽減措置の有無
  • 創業セミナーやインキュベーション施設の充実度
  • 専門家による無料相談の回数

特に東京都内の自治体は、国の「産業競争力強化法」に基づく特定創業支援等事業を実施しており、これを受けることで様々な優遇措置を受けられます。


2. 新宿区の創業支援制度

新宿区創業支援等事業計画(特定創業支援等事業)

新宿区は平成27年10月から特定創業支援等事業を実施しており、創業予定者や創業後5年未満の方を支援しています。

主な支援内容

【創業スクール】

  • 新宿区立高田馬場創業支援センター、西京信用金庫、東京三協信用金庫で全4回のセミナーを受講
  • 経営、財務、人材育成、販路開拓の4つの知識を体系的に習得

【創業相談】

  • 新宿区の商工相談員または東京商工会議所新宿支部の経営指導員に相談
  • 1ヶ月以上にわたり4回以上の個別相談(1回1時間程度)

【インキュベーション施設】

  • 新宿区立高田馬場創業支援センターのシェアードオフィス等を利用
  • 創業の専門家と月1回以上の面談が可能

証明書交付による優遇措置

特定創業支援等事業を受けた方には証明書が交付され、以下の優遇措置を受けられます:

  • 登録免許税の軽減(株式会社設立時:15万円→7.5万円、合同会社:6万円→3万円)
  • 創業関連保証の特例(信用保証枠の拡大)
  • 日本政策金融公庫の融資制度の優遇

新宿区創業資金融資制度

  • 融資限度額: 2,500万円以内
  • 利率: 本人負担0.4%以内(区が一部負担)
  • 融資期間: 7年以内(据置期間1年以内)
  • 対象者: 区内で創業予定または創業後5年未満の方

経営力強化支援事業補助金

  • 補助上限: 最大140万円
  • 補助率: 4/5〜10/10
  • 対象経費: IT・デジタル化、販売促進、設備購入など
  • 注意: バーチャルオフィス・シェアオフィス・レンタルオフィス・コワーキングスペースは対象外

3. 町田市の創業支援制度

町田創業プロジェクト

町田市は「町田創業プロジェクト」として、町田商工会議所、町田新産業創造センター、BUSO AGORAの3機関と連携した創業支援を実施しています。

主な支援機関と内容

【町田商工会議所】

  • 創業スクール(8月頃開催)
  • 経営力向上セミナー(毎月開催)
  • 創業支援コーディネーターによる相談対応(随時)

【町田新産業創造センター】

  • 町田創業ファーストステップセミナー(随時)
  • 町田創業ファーストステップ相談会(毎月開催)
  • まちだ女性創業スクール(9月〜11月頃)
  • 創業支援コーディネーターによる相談対応(随時)

【BUSO AGORA】

  • 創業支援コーディネーターによる相談対応(随時)
  • ※現在、一部サービスは中断中

証明書交付による特典

特定創業支援等事業を受けた方には市の証明書が交付され、各種特典を受けることができます:

  • 登録免許税の軽減
  • 創業関連保証枠の拡大
  • 町田市中小企業融資制度「創業資金」の無利息化

町田市中小企業融資制度「創業資金」

  • 融資限度額: 要確認(各支援機関にお問い合わせください)
  • 特徴: 起業家カード発行により、低利融資が可能

その他の支援

  • 産業見本市出展事業補助金: 上限30万円
  • 特許権等取得事業補助金: 上限10万円
  • 公設試験研究機関利用事業補助金: 上限10万円

4. 渋谷区の創業支援制度

渋谷区創業支援等事業計画

渋谷区は令和4年12月に産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画の認定を受け、創業支援を強化しています。

主な支援内容

【創業セミナー】

  • 渋谷区で創業予定または創業後5年未満の方を対象
  • 創業に必要な知識やノウハウを体系的に習得
  • ビジネスプランの完成・発表を目標

証明書交付による優遇措置

  • 登録免許税の軽減
  • 創業関連保証枠の拡大

渋谷区創業支援資金

渋谷区の創業支援資金は、都内でも最低水準の金利負担が特徴です。

  • 融資限度額: 2,000万円以内(必要額の2分の1まで)
  • 利率: 本人負担0.1%以内(都内最低水準!)
  • 融資期間: 7年以内(据置期間1年以内)
  • 対象者: 区内で創業予定または創業後1年未満の個人・法人
  • 東京都の信用保証料補助: 要件を満たす場合、信用保証料の3分の2を東京都が補助

その他の融資制度

  • 小口資金: 最大2,000万円
  • 設備資金: 設備投資に特化した融資
  • 事業承継支援資金: 事業承継時の資金支援

注意点: シェアオフィス、バーチャルオフィス等については、事業実態が確認できない場合、融資が受けられないことがあります。


5. レンタルオフィス活用のメリット

なぜレンタルオフィスが創業に適しているのか

創業時にレンタルオフィスを活用することで、以下のようなメリットがあります:

💰 初期コストの大幅削減

  • 敷金・礼金・保証金が通常の賃貸に比べて低額
  • 家具・OA機器が完備されており、設備投資が不要
  • 光熱費・通信費がコミコミのプランが多い

📍 一等地にビジネス拠点を確保

  • 新宿・渋谷など一等地に低コストでオフィスを構えられる
  • ブランド力のある住所で法人登記が可能
  • クライアントとの商談に便利な立地

🔄 柔軟な契約形態

  • 短期契約が可能で、事業規模に応じた変更が容易
  • 成長に合わせてオフィスサイズをアップグレード
  • 不要になればすぐに解約できる

🤝 ビジネスネットワークの構築

  • 同じ施設内の起業家とのネットワーキング機会
  • 入居者限定のイベントやセミナーへの参加
  • インキュベーションマネージャーによる支援(施設による)

創業助成事業とレンタルオフィスの組み合わせ

特に注目したいのが、東京都中小企業振興公社の創業助成事業です。

創業助成事業の概要

  • 助成上限: 400万円(下限100万円)
  • 助成率: 3分の2以内
  • 対象経費: 従業員人件費、賃借料、専門家謝金、広告費、備品費など
  • 助成期間: 6ヶ月以上で最長2年

認定インキュベーション施設の活用

以下のインキュベーション施設を6ヶ月以上継続利用すると、創業助成事業の申請要件を満たせます:

新宿区

  • 新宿アントレサロン(銀座・新宿・渋谷道玄坂・池袋)

渋谷区

  • 渋谷道玄坂アントレサロン
  • 渋谷宮益坂アントレサロン
  • 恵比寿アントレサロン

レンタルオフィス選びのポイント

所在地の確認

  • 目的の自治体内に実際の所在地があるか
  • バーチャルオフィスではなく、実体のあるオフィスか

法人登記の可否

  • 法人登記が可能か事前に確認
  • 登記住所として使用できるプランか

助成金・融資制度の対象可否

  • 自治体の融資制度で対象外とされていないか
  • 創業助成事業などの申請に必要な要件を満たすか

サポート体制

  • インキュベーションマネージャーの有無
  • 経営相談やセミナーの開催状況
  • ビジネスマッチングの機会

6. まとめ

自治体別の特徴まとめ

自治体 最大の特徴 創業融資の利率 おすすめポイント
新宿区 経営力強化支援事業補助金が充実(最大140万円) 本人負担0.4%以内 高田馬場創業支援センターの活用、IT・デジタル化支援が手厚い
町田市 創業資金の無利息化が可能 無利息化あり 女性創業スクールあり、多様なセミナー・相談会
渋谷区 都内最低水準の金利(本人負担0.1%) 本人負担0.1%以内 金利負担が最も少ない、スタートアップの集積地

成功する起業のための3ステップ

STEP 1: 自治体の選定

  • 事業内容と相性の良い自治体を選ぶ
  • 受けられる支援制度を比較検討
  • 将来的な事業展開も考慮に入れる

STEP 2: レンタルオフィスの契約

  • 目的の自治体内で法人登記可能な物件を探す
  • インキュベーション認定施設なら創業助成事業も視野に
  • 初期コストを抑えつつ、ビジネスに適した環境を確保

STEP 3: 創業支援制度の活用

  • 特定創業支援等事業のセミナーや相談を受ける
  • 証明書を取得して登録免許税の軽減を受ける
  • 創業融資や助成金を申請して資金を確保

注意点

⚠️ バーチャルオフィス・シェアオフィスの注意

  • 一部の補助金や融資制度では対象外となる場合があります
  • 事業実態が確認できるオフィス環境を選びましょう
  • 不明な点は各自治体の担当窓口に事前確認を

⚠️ 申請期間と予算

  • 補助金・助成金には申請期間があります
  • 予算に達すると募集終了となる場合があります
  • 早めの情報収集と申請準備が重要です

起業の第一歩は「場所選び」から

創業を成功させるには、どこで事業を始めるかが重要です。新宿区・町田市・渋谷区は、それぞれ異なる強みを持った創業支援制度を用意しています。

レンタルオフィスを活用すれば、初期コストを抑えながら、一等地にビジネス拠点を確保できます。さらに、インキュベーション施設を利用することで、最大400万円の創業助成事業も申請可能になります。

あなたの事業に最適な自治体とオフィスを見つけて、成功する起業の第一歩を踏み出しましょう!


お問い合わせ先

新宿区

  • 新宿区 文化観光産業部 産業振興課
  • TEL: 03-3344-0702

町田市

  • 町田市経済観光部産業政策課: 042-724-2129
  • 町田商工会議所企業支援部: 042-724-6614
  • 町田新産業創造センター: 042-850-8525

渋谷区

  • 渋谷区 商工・労働・相談窓口
  • 詳細は渋谷区公式ウェブサイトをご確認ください

※本記事の情報は2025年11月時点のものです。最新の情報は各自治体の公式ウェブサイトでご確認ください。 ※補助金・助成金・融資制度の申請には、各制度で定められた要件を満たす必要があります。詳細は各窓口にお問い合わせください。

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